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映画鑑賞記録:『82年生まれ、キム・ジヨン』を見ました。

※本ページにはプロモーションが含まれています。

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今週のお題「最近見た映画」

新型コロナ対策を施した映画館が快適過ぎて、緊急事態解除後は毎月のように映画館へ行ってます。今回は10月末に鑑賞した作品で今週のお題に挑戦!

社会現象を巻き起こした話題の作品

韓国で130万部突破したベストセラー作品の映画化。日本以上に女性を取り巻く社会が厳しい韓国では、こういう題材がヒットすること自体がかなりセンセーショナルなようです。実際に女性アイドルがSNSでこの本を紹介するだけで、男性ファンからバッシングされるようなこともあったとか。

私は3度のごはんより韓国ドラマが好きなので、「好きな俳優さんは?」と聞かれると男女ともに韓国人の俳優さんの名前がまず出ちゃうのですが...その中でも特に大好きなチョン・ユミちゃんが主演!そして夫役のコン・ユはオレ的四天王のひとりとあって、彼らの夫婦役がみられるというのも楽しみでした。なんなら本当に結婚してほしい。

映画『82年生まれ、キム・ジヨン』オフィシャルサイト

 

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女の敵は男ではなく、女かもしれないと思った。

鑑賞後はなんとも言えない、真綿で首を絞められるような気分。もがけばもがくほど、抜け出せないようなじっとりとした重さ。オフィシャルサイトに書いてある全世界の女性たちが共感というフレーズに、実は居心地の悪い思いを感じました。

私はジヨンと違って妻でもなく母でもない。ただ仕事をもつ女性(働きたい・働いていたも含めて)であり、男が働き女が支える形で歴史を築いてきた国で、誰かの娘として生まれたという部分だけが同じフラグ。妻であり母である立場で生きることを、身を以て知らないという点は決定的に違いました。

ただジヨンの夫の行動は、子作りのタイミングや理由がとってもマヌケではありましたが、それでも終始、妻のことを考えて心配して、育児休暇も申請すると宣言する。正直ここまで協力的な家族がいても、心が壊れちゃうのかと呆然としました。共感というよりもむしろ絶望。妻でも母でもない私は、じゃあどうすればよかったの?と、おそらく大半の夫たちが発してしまいたくなるような言葉を言いたくなるほど。

ラストは希望だと取れる描写でしたが、結局、協力的な夫と娘、理解のある会社やクライアントに囲まれて、自分の思い描くキャリアを実現している場面は、育児期の八方塞がりのジヨンと同じ立場だったら、これをみて希望の涙を流せるだろうか。むしろ、ジヨンお前もか...とつまるところ、全部手に入れる側の女性像に取れてしまわないかと思いました。意地悪な言い方ですが、マウンティングというか、女の敵は女

どんな立場であっても、いろいろ思うことあるのよ。

痴漢の描写や女子トイレにカメラが仕込まれていた事件、女性上司と男性上司のやりとり、兄や弟を学校へ行かせるために両親だけでなく女のきょうだいが働きに出て家計の足しにする常識など、女に生まれたのだから耐えて当たり前の刷り込み。月1回の生理と出産する機能が備わったからだを抱えて、フルタイムでようやってると思う。

それとは別に「仕事がしんどいから結婚でもしようかな」「仕事もしていない気楽な立場でカフェでお茶とか羨ましい」といった、未婚と既婚子持ちの立場の違いによる同性からの暗黙の否定。これら全部が、ジヨンを追いつめていったのは確か。

でも独身女性の立場からすると、「こどもがいないから、好きなことができていいね」「いつも仕事ばっかりで付き合い悪いよね」「主人に聞かないと、ちょっと決められないから」と言った言葉が、同じように真綿で首を絞めていることにも気づいてほしい。「こどもが熱を出したから」「こどものお迎えがあるから」の言葉の前では、「今日はそばにいてあげて」「はやく行ってあげて」以外のことを言うのは鬼。トッケビ...

つまるところ、どんな立場であってもマウンティングする人はするし、される人はされて、夕暮れのベランダや洗濯機を回しながら空を見つめる。それがオフィスか、自宅かの違いなだけじゃないかと思いました。

だから「大丈夫、あなたは一人じゃない」に尽きるのか。

それで一周回って気がつくのが、オフィシャルサイトの冒頭で出てくる大丈夫、あなたは一人じゃない。のコピーです。最初にみたときは、ざっくり安直な言葉でまとめたなぁと思ったけれど、一通り考えたあとで見ると違う重みを感じました。

何も子育てに追われて自分のやりたい仕事ができなくなった既婚女性、の立場を考える話じゃないんだと。真綿で首を絞められるような気持ちで心が壊れるほどギリギリな状態で生きる、一人の女性の絶望と再生の物語を描くことで、すべての(女性だけに限らず)ギリギリで頑張っている人たちへ静かなエールを送る映画、なんじゃないかと。今ならそう、思えます。まだちょっとまとまらない気持ちもあるけれどね。

番外編:チョン・ユミちゃんとコン・ユ好きにはたまらない小道具たち

エンディングに至るまでは重苦しい作品ですが...おうちで話しているシーンの後ろには、ジヨン夫妻の結婚写真がちゃんと飾ってあるんです。最後まで拡大されることはないのですが、見つめあったりソファで寝そべったりしているシルエットがみて取れて、変態ペンとしてはそれだけで萌えます。それだけで1900円払った甲斐がありました。コン・ユの奥さん、本当にユミちゃんだったらいいのにぃ!